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「リモートワークかオフィス勤務か」ではない第3の働き方へ~withコロナのその先に~


本ブログは当社のWantedlyストーリーで2020年6月8日に公開した記事です。

こんにちは。クラッソーネ人事広報部の宮田です。新型コロナ感染症拡大を受けて、ITベンチャーを中心にすっかりリモートワークが浸透してきましたね。当社でも、3月26日(木)から東京オフィスで、4月6日(月)から名古屋オフィス(本社)含めた全社で、リモートワークに切り替えました。緊急事態宣言は解除になりましたが、6月以降も原則リモートワークとしています。クルー1人1人の努力はもちろんのこと、在宅勤務でも不便なく安心して仕事ができるように、会社として様々な工夫をしてきたこともあり、リモートに移行した後も、全体として会社としての生産性は維持向上できており、組織の一体感を感じながらクルー1人1人が前向きに仕事ができていると思います。

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私自身(名古屋在住)も在宅勤務を開始して早くも2ヶ月ほど経過したわけですが、最初の数日は慣れなくて疲れがひどかったものの、環境を少しずつ整え、かつ、自分のリズムも整い、今ではもともと在宅勤務をしていたような錯覚を覚えるほど、自然な感覚になってきました。人事広報という仕事柄(総務は別チーム)、リモートでもあまり不便なく生産性も落とさずに仕事ができるのかもしれませんが、それを差し引いても、人間の順応力はなかなか侮れないな、と感じています。

人事として唯一心配だった「オンライン選考だけで内定を出すかどうか」問題も、最初は結構悩んでいましたが、気づいたら2名もオンライン選考だけで内定を出していました(笑)この人はぜひ採用したい!と配属先幹部も含めて気持ちが高まると、「仲間になって欲しい!」という気持ちが先行して、「実際に会ったことないけど大丈夫かな」という不安を忘れていた、というのが私達の感覚でした…それほど組織のリモート順応力は想像以上に高いものでした。中途採用でリモート内定したエンジニアが6月に入社予定なので、実際どうなるか楽しみです。(そしてリモート入社となるため、まだ当分の間対面では会えそうにありません…)

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目次

このままオフィスは不要になるのか?

最近では、ITベンチャーを中心に「コロナでリモートワークになってみて、仕事が普通にできていて、実はオフィスがいらないのではと気づいた」というような、「オフィス不要論」もメディアで話題になっています。「オフィスでしかできないと思っていたあらゆることが、実はオンラインでできる」という事例も連日報道されています(例:会議、教育、事務、イベント、飲み会、雑談等)。また、日本生産性本部が5月中旬に実施した調査によると、働く個人の側も、6割以上が「コロナ後も、リモートワークを継続したい」と答えているそうです。このまま、コロナが収束した後も、リモートワークが当たり前となり、オフィスは過去の遺物になっていくのでしょうか?

あくまでも私個人の考えですが、会社運営のすべてをオンライン・リモートでできるとは思いません。想像以上に、オンラインやリモートでできることが多かったことは間違いないですが、万能ではないと思っています。実際に約2ヶ月会社運営をリモート化してみて、オンライン(リモート)でできることと、オフライン(オフィス)の方がいいことを整理してみました。社内のアンケート結果、クルーの声、私自身の経験などをもとにしていますが、あくまでも私の所感です。

<オンライン(リモート)でできること>★環境が整っていることが前提

  • 1人作業や資料作成(これはリモートの方が得意分野。集中できます。)
  • 顧客の電話応対(意外とリモートの方が集中できると好評。)
  • 会議(ちょっとした共有・相談から、ビジョンの議論まで問題なくできます。時間も区切りやすい印象。)
  • 仕組みや関係性の土台があるチームでのオンラインサービス運営(生産性は落ちない印象。)
  • 雑談(仕組みをつくればある程度できて関係性の維持向上に役立ちます。しかし、リアルな場ならではの偶発的な雑談、新しい創造へは向かいにくい印象。)

※拠点を超えたコミュニケーションについては、オンライン向きですね。リモートになってから、みんな働く場所が違うため、逆に拠点の壁を感じにくくなりました。

<オフライン(オフィス)の方が効果的なこと>

  • 新しいチームのチームビルディング(非言語コミュニケーションの関係構築への効果は大きいです。)
  • 新しい体制で新しいサービスをつくっていくこと(カオスでMTGが増え、メンバーが不安な状態が続きます。)
  • チームを超えた協働(Slackのチャンネル単位=チーム単位のやり取りに終始しやすく、変化が激しくチーム間の協働が欠かせない業務では、チームを超えた認識共有が不足することで、チーム間の認識ギャップが起きやすくなる印象です。)
  • 新入社員のオンボーディング(マインドセット、関係構築、業務独り立ちまでのOJTはオフラインの方が効果が高いです。当たり前ですが。特に新卒の新入社員は、社会人としてのリズムをつくるためにも、一定のオフィス通勤があった方が良いように感じます。)
  • 全社のMVV浸透、カルチャーづくり(理念浸透やカルチャーは、五感や身体性も大切だと感じます。当社代表の川口も、オフィスは「戻れる場所」として残したいと言っていますが、やはり物理的な場はあるに越したことはないと思います。)

※総務、経理業務は、取引先などのペーパレス化が進まないことで、ハンコ問題など一部出社を余儀なくされていますが、これは生産性の視点からも、オンライン化すべきものだと思います。


オンラインでもできたことの1つ。リモートワークでも全社的な雑談「オンラインG&N」を実施中

リモートマネジメントの限界は「察する」と「身体性」

5月中旬の部長会議で今後の働き方について議論をしたところ、ほとんどの部署が「このままリモートワークでも問題ない」という意見だった一方で、4月から全国展開を開始した新サービスの運営(カスタマーサクセス)を担当している部署だけは、サービス運営の仕組みや体制もかたまっていない中、プロダクトが日々改善されていくのに追いつくのも大変、クルーも新しいサービス、システム、業務に慣れずに奮闘し、日々試行錯誤の中で、リモートでマネジメントすることに限界を感じていたようで、「正直、早くオフィス勤務に戻りたい」と本音をこぼしました。この本音には、全部長が深く共感しました。

この部署のクルーの声からも、チーム運営やメンバーのフォローなどでリモートの苦労を聞きましたし、認識を関係者間ですり合わせるための、変則的なMTGがかなり増えてきたことからも、カオスな状況が伺えました。(直近では、課題をヒアリングして整理したうえで、日々解決策を打ってきたことが功を奏し格段に改善し、リモートでもスムーズに運営できるようになってきましたが、オフラインの方がスピーディーに体制構築ができたのではと思います。)

リモートの限界は、「察する」「非言語」のコミュニケーションや「身体性」が欠如してしまうことだと思います。例えば「察する」の欠如でいえば、「横のクルーの電話対応を聞いて、自分と認識がずれていることに気づいてすり合わせたり、良い顧客対応に刺激を受けて取り入れてみる」ということや、「作業に時間かかっているクルーに気づき、困っているのではないかと察して助ける」といったことが、リモートでは難しいというクルーの声をよく聞きました。もちろん、Slack上で困っていることや成功事例を積極的共有する、といったことは推奨していますが、日々近くにいて「察する」ことができる環境とは異なります。(一方で、Slack上でテキスト共有する文化が根付いたことで、全社に良い事例や課題が共有しやすくなった、というメリットも感じているので、一概にどちらが良い悪いではないです)

また、仕事上最も大切と言っても過言ではない「信頼関係」の構築においても、「察する」「非言語」のコミュニケーションや「身体性」の重要性を感じます。もともと信頼関係ができているチームは、さほど問題ないですが、新しいチームで関係構築が大事なフェーズや、新入社員をオンボーディングする際には、一緒に場を共有して協働したり、休憩中のちょっとした雑談で得られる、非言語も含めたコミュニケーションや、五感で相手を感じる身体性の情報は、相互理解や安心感につながる大切なものです。また、リモートで言語のコミュニケーションに頼ると、ちょっとした言葉のすれ違いで、不信感を抱きやすいとも感じます。(そしてボタンの掛け違いを解消するために、またMTGが増えるという…)やはりチームの関係性を深めて一体感をつくっていくには、時にはオフラインで場を共有することも欠かせないのではないかと、人事としては考えています。

ネットや家庭の環境、個人によって生産性が変わる

それから、Zoomなどのビデオ会議ツールなどが話題になっているなかで、意外と議論されていませんが、ネットや家庭の環境は、ツール選択以前に非常に重要です。1人暮らしのクルーはネット回線を自宅にひいていないこともありますし、マンションでは在宅勤務が増えた昨今回線速度が落ちることがあり、会議中や面談中大切なところで画像や音声が止まることは少なくありません。当社では、自宅のネット環境に不都合がある場合、モバイルルーターを会社から貸し出していますが、それでも日々起きる自宅ネット環境の不具合によるクルーのロスタイムや総務の対応工数、モバイルルーターの従量課金コスト等を考えると、どうにかならないか…と考えます。

また、家庭によっては1人で集中して仕事ができるスペースを確保できない自宅環境の場合もあります。小さなお子さんが近くにいながら、自分のペースで仕事をするのは至難の業ですし(当社ではスーパーフレックスを適用して、勤務時間を柔軟にすることで、どうにか対応してもらっています)、他の家族も過ごすリビングで仕事をせざるを得ない場合もあるでしょう。

つまり自宅環境は、オフィスのような均一の勤務環境を整えることは難しいので、本気でリモートワーク化するのであれば、自宅環境への投資が必要になるでしょう。当社でも月5,000円の在宅勤務手当を支給しますが、家庭によって投資が必要なことやコストは違いますし、家族構成や間取りなど、投資しても環境を整えることに限界がある人もいるでしょう。

さらに、見過ごせないのは個人の資質の視点です。やはり、在宅勤務が性に合う人と合わない人はいるようです。当社では、多くのクルーが在宅勤務1ヶ月を過ぎた当たりから、かなり順応して快適に仕事をしているようですが、一部のクルーは在宅勤務で生産性が下がっているようです。ずっと自宅に籠って、同じ場所で1人で仕事をすることで、生産性が上がる人もいれば、下がる人もいるということでしょう。

「リモートワークかオフィス勤務か」ではない第3の働き方へ

前述した通り、オンライン(リモート)でもかなりできる仕事は多いですし、クルーからもリモートの良さについての声をもらうことが多いです。一番多いのは「通勤時間がかからない分、家族との時間や自己研鑽の時間など、時間を有効活用できる」という意見です。やはり限られた「時間」を有効に使えるのは、リモートワークの最大の魅力ではないでしょうか。

一方で、やはりオフライン(オフィス)が必要なシーンもあることも分かってきました。しかも事業やチームのフェーズや、個人の置かれた環境、資質によっても、必要性は異なることが見えてきました。これから企業は、「リモートワークかオフィス勤務か」という単純な二者択一の考えを手放し、様々な視点かた本質を見極めて多様性に対応した働き方をつくっていく必要があると思うのです。

当社では、議論を重ねた結果、以下の結論に至りました。

コロナが収束するまでは、原則としてリモートワークを継続。ただし、部署やチーム単位で必要と認められれば、部分的なオフィス勤務も可能(もちろん、コロナ対策は行ったうえで)

実際に部分的なオフィス勤務を選択したチームの事例は以下になります。(下記のチームと総務経理担当以外は、当面フルリモートワークです)

  • 新しい体制で新しいサービス運営の仕組みを構築中のチームが、1週間全員出勤して一気に仕組みを整え、リモートワークでも安定稼働できる体制を目指す。
  • 新しいサービス運営を行う部署のリーダー以上が、認識共有や課題改善のために、週1日出社して会議、協働業務をする。
  • 専門的なスキルやノウハウを要する企画系のチームで、業務習熟していないメンバーのフォローなどのために週1日出社する。

当社では「リモートワークでも生産性を維持向上できる体制をつくる」ことを前提とし、リモートワークの限界点も言語化して認識共有したうえで「部分的なオフィス勤務が必要だと思われる場合には、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を大前提とした、会社の目標達成のために必要とあれば認める」ことを、全社で確認しました。おそらく、コロナ収束後もこの働き方が続いていく可能性が高いと考えています。

これは、「豊かな暮らし」をミッションとしてオンラインでサービスを展開している当社ならではの基準であり、会社のMVVや事業内容やフェーズによっても、違ってくるでしょう。今後大切なのは「リモートかオフィスか」ではなく、自社のMVV(何が大切で、何が大切でないのか)を明確にしたうえで、withコロナの先もふまえた第3の働き方を、各社で創造していく必要があるということだと考えています。働き方は目的ではなく、あくまでもMVVを実現するための手段であり、目的と手段を混同しないことも大切です。(リモートワークが流行し、リモートが目的化する懸念も感じています)

当社もまだ手探りな段階ですが、コロナをきっかけとして、各社で様々な「第3の働き方」が試され、より多く人がワークとライフをさらに豊かにしていくことができるようになるのではないかと、希望を抱いています。

この記事を書いた人

宮田ゆかり

宮田 ゆかり

人事広報部責任者(CHRO)。これまでオリエンタルランド等で企業人事を12年経験してきました。初めてのスタートアップ人事広報のチャレンジを日々四苦八苦しながら楽しんでいます!ゆるキャラと占いが大好きです。